漢詩についてのワンポイント アドバイス A

漢詩の始まり

● 近体詩の成立まで

六朝と言うのは、漢王朝の終焉から隋の統一までの間(三〜六世紀)に、江南の金陵(今の南京)に都を置いた 呉、晋、そして

南北朝のうちの南朝四王室(宋、斉、梁、陳)を指して言う言葉です。中国の詩の歴史において、この六朝時代は とても

重要な時代でした。五言詩という形が定着し、陶淵明や謝霊運などを代表に、この時期に、詩は形式的にも内容的にも

深化します。

また、六朝時代の末期、梁の文人 沈約(441〜513年)は、中国語の抑揚に四声と云う音の上下があることを うまく利用して

詩の世界に音楽の美しさを持ち込みました。これ以後 詩には、形式、内容はもちろんのこと、音に出して詠んだ時の

美しさを含めて、完成度の高い芸術性が求められるようになりました。

そして、その詩と云う形式における芸術性を完璧に追求したのが、次の時代の唐(七〜十世紀)の近体詩なのです。

漢詩紀行100選から抜粋

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