お酒についてのコメント
中国の酒は 大きく分類すると 4種類(啤酒・ビール、外来酒を除く)に分けられる。黄酒、白酒、果酒、薬酒である。
黄酒は 中国に最も古くからある酒で、米作地方を中心に造られる醸造酒である。長期熟成された黄酒は 老酒(ラオチュウ)と呼ばれる。
黄酒は 日本の清酒に該当し、代表的なものが紹興酒である。古代中国では 薬用だったり、祭祀用だったりしたものと思われる。
白酒は 蒸留酒で、「焼酒」或いは「火酒」とも言われる。酒色が透明なので「白酒」と呼ばれ、長期熟成させる為、口あたりはまろやかである。
白酒は 全国的に多く生産されているが、高粱、トウモロコシ、麦などの雑穀で造られるので、北方や南西地方が主産地である。
果酒は、葡萄酒やリンゴ酒など果実を原料として造る醸造酒と、白酒をベースに果汁を配合してつくる酒の総称である。
代表的なものは 赤ワイン、白ワインである。葡萄酒が はやるのは 唐代になって、西域との交流が盛んになってからである。
薬酒は 黄酒、白酒、果酒などに、漢方薬材を漬け込んだ、医食同源の中国ならではの混成酒である。
尚、菊酒とは、重陽の節句(健康長寿を祈る慣習)に菊の花を酒に浮かべて飲む酒である。
さて、酒と言えば、三国志で知られる曹操が出した「禁酒令」が有名である。曹操は かさむ軍事費による財政緊迫の為、禁酒令を出しました。
しかし、禁じられても 飲みたくなるのが人の性(サガ)。人々は 酒を隠語にして、清酒は 聖人、濁酒は、賢人、と呼びながら、こっそり飲んでいました。
ある時、酔っ払ってしまったのを見つかった者が、思わず「聖人に中(あた)ってしまいました」と言って、ごまかそうとしたと言います。
以後、清酒のことを「聖人」、濁酒を「賢人」、そして、酒にあたって二日酔いすることを「聖に中(あた)る」と言うようになっと云う。
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